5.成年後見

1.民法には、従来から禁治産・準禁治産宣告の制度がありましたが、鑑定に費用と時間がかかることや禁治産宣告がなされた場合には本人の行為能力が全面的に制限され後見人が代理する結果、本人に対する過大な能力制限となったり後見人の権限濫用の問題もあったこと、準禁治産者の場合の保佐人には代理権が認められておらず不便であったことなど、種々の問題点もあったために利用が極めて少なく、判断能力が不十分な人の援助する制度として充分に機能しているとは言えない状況でした。そのため、平成12年4月1日より、成年後見制度が施行されることとなりました。これによれば、禁治産・準禁治産は、それぞれ後見・保佐と名称変更し、本人が契約によって後見人を決めておく任意後見制度も設けられました。


2.
後見の開始要件は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあること(民第7条)です。後見開始の審判を請求することができるのは本人、配偶者、4親等以内の親族、検察官その他です。後見開始の審判があると、日常生活に必要な行為を除いて本人は行為能力が制限されます。そのため、本人が単独でなした行為は取消せますし、成年後見人が本人を代理してその他の必要な行為を行うこととなります。成年後見人は家庭裁判所が成年後見開始の審判をするときに職権で選任することとなります。選任された成年後見人には、身上監護面における一般的な義務として本人の身上配慮義務が規定されております。また、本人の財産保護の観点から、成年後見人が居住用不動産を処分するには家庭裁判所の許可が必要となっております。さらに、後見監督人の報酬に関する規定も新設されております。


3.
任意後見とは、本人がまだ正常な判断能力があるうちに、契約によって選任した任意後見人に判断能力低下後の財産管理等の事務について代理権を付与してその処理を委託しておくこととされています。任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければなりません(任意後見契約法3条)。

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