11.社団など団体の組織上の紛争事件

一定の組織を有する人の集団や、一定の目的のために捧げられた財産の集合に対して、法が権利能力(法主体性)を付与したものをそれぞれ社団法人、財団法人と言います。民法では、公益法人と営利法人しか認めていないため、公益と営利の間に存在する多くの非営利団体の法人化は特別法に委ねられております。現在では社会福祉事業法、私立学校法、宗教法人法、政治資金規制法などの多くの特別法が存在します。また、平成7年に発生した阪神・淡路大震災をきっかけにして、平成10年には「特定非営利活動促進法」(NPO法)が成立して、福祉や環境保護、国際交流などの営利を目的としない民間団体(NPO)に法人格が与えられるようにもなりました。

さらに、ある団体が何らかの財産を有することを前提として、団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員の変更にかかわらず団体が存続し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確定している場合には、権利能力なき社団と認められており(最判昭和39年10月15日判決)、その運営方法等については民法の社団の規定が類推適用されます。しかし、当該団体が権利能力なき社団に該当しない任意団体の場合、財産の帰属主体はその団体の主宰者である特定の個人や法人とせざるを得ません。また、権利能力なき社団であっても、その団体の財産である不動産などの登記は、団体名では登記できず、理事長個人名義の登記となります。その場合、当該財産が権利能力なき社団が所有権を有するものか当該理事の個人財産かが登記の対抗力や差押え等の場面において問題となります。

これらの団体の組織運営は、民法その他の法令に定められたとおりに行われる建前であり、実際にも多くの団体において法律に則った運営が行われているはずですが、組織問題や人的関係の問題を端緒として、団体の組織や運営に関する紛争が生じることもあります。そのような場合には、総会決議の無効・取消を求める裁判や理事長の資格を争う裁判などにおいて、職務執行停止の仮処分や仮理事等の選任を求める訴えを提起することが必要となる場合があります。

 

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