12. 損害賠償事件

交通事故に遭った場合、被害者は、民法や自動車損害賠償保障法などで定められた賠償義務者に対して、損害賠償を請求することとなります。具体的な請求の相手方ですが、運転者などの加害者本人(民709条)や共同不法行為者(民719条)、加害者の使用者や代理監督者(民715条)、運行供用者(自賠法3条)などです。会社の車を使用している者が私用などで寄り道をしているときに事故を起こした場合であっても、自賠法3条や使用者責任(民715条)などで会社は責任を負わなければならない場合があります。

物損事故の場合には、現実の修理費と被害車両の時価とのうち、安い方の金額を賠償すればよいこととされていることから、年式が古い等時価が低い車両を所有している場合には、修理費全額を出してもらえず紛争になることが多いといえます。

3 主に治療費、入院雑費、通院交通費、休業損害金、入通院慰謝料などが請求できますし、後遺症が残った場合には、右請求に加えて、その後遺障害等級に応じた逸失利益(右後遺症がなかったならば得られたであろう利益)と後遺症慰謝料を請求できることとなります。これらを請求する場合には、診断書や診療報酬明細書、領収書、源泉徴収票や確定申告書、所得証明書等を添付した休業損害証明書などの関係書類を提出する必要がありますが、慰謝料等は、傷害の部位や程度、入通院期間などによって概ね定額化されております。また、傷害の部位や程度、治療の期間や通院の頻度、収入額を表す証拠の証明力によっては、必ずしも自分が希望するだけの損害賠償を得られるかどうかは分かりません。特に、頚椎捻挫等(いわゆるむちうち症)の場合には、自分が痛いと感じるだけではなく医師がその原因を説明できるだけの他覚所見がなければ、適正な損害賠償額を認定することが難しいとされております。

加害者側が任意保険に加入していた場合には、通常、当該保険会社と示談交渉をすることとなりますが、人損の損害を賠償する自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)では、被害者が直接請求することも認められておりますし、仮渡金や内払い制度もあります。交渉の結果、示談ができなかった場合には、被害者の側から調停を申立てたり、訴訟を提起することも行われますが、その多くは話し合いによる和解によって解決されているのが実情です。

 

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