5.民事特定調停事件

 借金の返済などに窮した債務者の債務整理手続として、特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律が、平成12年2月17日から施行されています。これは、民事調停の特則を定めたものであり、
@民事執行手続きを無担保で停止することができること
A過料の制裁を背景に、業者に対して取引経過の開示を求めることができること
といった特色があります。
 従来から、民事調停規則第6条によって、紛争の実情に応じて、調停が継続している間の民事執行の手続の停止が認められており、債務弁済調停の手続においてもこの制度が利用されておりましたが、執行停止のために担保提供を要することから、その利用には制約がありました。今回の法律は、無担保での執行停止を認めたことに大きな意義があります。
 特定調停の申立人となりうる者は、「特定債務者」すなわち、金銭債務を負っているものであって、支払不能に陥るおそれのあるもの若しくは事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの又は債務超過に陥るおそれのある法人であります。従って、例えばいわゆる多重債務者が申立人になることができますし、ゼネコンなどの大企業についても、特定の債務について免除を受ける必要がある場合や、債務整理に応じないで担保権を実行するような金融機関を相手に調停を申立てる必要がある場合に、申立人となって調停を申立てる実益があります。
 この特定調停の申立では、原則として、申立と同時に、財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料及び関係権利者の一覧表を提出する必要があり、事業者については、事業の内容及び損益、資金繰りその他の事業の状況を記載する必要があります。
 なお、この特定調停の相手方は、関係権利者全員を相手方にする必要はなく、一部の債権者だけを相手方とすることもできますので、たとえば、債務整理に反対している債権者や強制執行をしている債権者だけを相手方とすることもできますので、利用範囲、利用価値はさらに広がっております。

 

前のページへ戻る



弁護士法人 赤坂法律事務所

〒102-0075
東京都千代田区三番町1番地17
パークサイドアネックス3階A号室

電話:03-3262-3098 FAX:03-3237-7187