2.脱税事件(国税犯則事件)

 租税に関する犯罪については、その証拠の収集、証拠に対する価値判断に特別の知識と経験を必要とするなどの理由から、国税犯則取締法によって、調査、処分に関する手続が法定されております。
 租税犯には、不正行為を用いて租税を免れたり、還付を受けたり、税額の納付を怠ったりする脱税犯と、申告書を提出しなかったり、虚偽の申告書を提出したりする秩序犯に分類されます。
 国税に関する犯則事件の調査は、刑事上の告発を目標として行われる手続で、収税官吏に調査権限が認められております。具体的には、収税官吏は、必要に応じて、質問、検査、領置(資料の任意提出を受けることです)を行うことができます(国税犯則取締法1条)。これは、あくまで任意の調査であって、拒否することができます。また、収税官吏は、裁判所ないし裁判官の許可を得て、臨検(所持品、場所等を検証することです)、捜索、差押の手続を執ることができるとされています(国税犯則取締法2条)。これは、強制的な調査で、調査を受ける人の意思に反しても行うことができるとされております。この臨検、捜索、差押については、緊急の場合には、裁判所の許可を得ないでできるとされています(国税犯則取締法3条)。
 国税に関する犯則事件(間接国税の場合を除きます)にあっては、収税官吏が調査によって犯則があると思料するときは、告発の手続を執らなければならないとされています(国税犯則取締法12条の2)。告発した場合には、差押物件、領置物件を検察官に引き継ぎます(国税犯則取締法18条)。調査の結果、犯則があると思料するに至らず、他に犯則を調査する手段のないときは、調査終了の処分を行い、差押物件については、返還されます(国税犯則取締法19条)。

 

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